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あなたじゃないのね

思っております

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思っております


「え?ヘス身体が悪いの?」
俺が昨日の夜にチュンソクに聞いた話をこの女(ひと)にすると驚いたような顔をした

「えぇ、貴女気が付かなかったんですか?」
俺がそう聞くと妻は昨日の朝の事を思い出すように考えている

「あぁ、そう言えば咳き込んでたわ。でも、朝の準備のばたばたであんまり注意して聞いてなかったし、あの子何となく距離を私と置いているみたいだったから…」
そう言いながら机の上に並ぶ朝餉を平らげながら言う

「今日はまずそのヘスを診察して貰いたい。この後の行軍はどう考えても荒っぽくなる。もし、堪えられないようなら此処からヘスは元の村へ返そうと思う。」
俺は昨日チュンソクに言った事をこの女(ひと)にも伝える

「元の村にって…どうやって?一人だけで帰すの?危ないわ…?」

ただでさえこの行軍に参加しているから狙われてしまっているのは今一緒に居る女達全員の筈。
それなのに一人で帰すなんて…

「まさか、そんな事はせぬ。取り合えず後三日俺たちが都に向かっている間はこの宿に居て貰い、都に着いた頃にヘスに就けているパクと一緒に戻ってもらおうかと思っております。」
俺がパクを就けると言うと妻はほんの少し安心したのか小さく溜息を吐いた

「分かったわ、でも、状況によるけど…具合が悪くても連れて行かなきゃならない事もあるわ。」
妻は俺の顔を見てそう言う。
「それは・・・?」
俺は訳が分からず聞き返す

「うん、医師の目の届く範囲に居た方が良い時もあるから…都まで行けば私だけじゃない…『梟』も居るわ、治さなきゃならないんだったら連れて行った方が良いもの…」
医師の目になった妻が俺に言う

「どちらにしても診てみないと何とも言えないから、朝ごはんが済んだらヘスを診るわ。此処で見る?それとも…」
俺は妻が言い終わらないうちに言う

「女達の部屋で、診察を。俺は廊下に居りますので…」
この宿屋でスリバンが1名、武閣氏が3名居るあの部屋が一番安全だ
その判断で俺はこの女(ひと)にそう告げた。
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